ドライバ―のフックの原因と対策
当サイト筆者は、ゴルフ理論でクラブ選定方法、製造方法として振動数理論並びに重量管理理論を提案、平成元年に発明その後、日本で初めて特許を平成6年に取得(第2597789号)、富士通FMRシリーズゴルシスとして、大手ゴルフクラブメーカブリヂストンスポーツや、大手シャフトメーカに情報提供、この分野においてはパイオニアとして貢献してまいりました。その資料を基に当サイトは構成されています。
ドライバーでフックがでるスイング軌道
下の図ではスイング軌道と球筋です。
ドライバーでフックの出るスイング軌道から解説していきます。
アウトサイドイン
②はアウトサイドインのスイング軌道でインパクトではフェースがボールに直角に当たり、球筋は真っすぐ左にとびます。
①はインパクトでフェースがカブリ、左に真っすぐ飛んで最後にフックになります。
③はインパクトでフェースが開き、左に真っすぐ飛んで最後にスライスになります
ストレ―ト
⑤は理想のストレートを打てるスイング軌道になります。
④はインパクトでフェースがカブリボールを捕えるので、まっぐ飛んだあと少しドローがかかります。
⑥はインパクトでフェースが開いてボールを捕えるので、まっぐ飛んだあと少しフェードがかかります。
インサイドアウト
⑧はインサイドアウトのスイング軌道でインパクトでフェースが開くため、右に真っすぐ飛びます。
⑦はインパクトでフェースがカブル、右に真っすぐ飛んだあとフックがかかります。
⑨はインパクトでフェースが開き、右に真っすぐ飛んだあとスライスがかかります。
フックが出るスイング軌道は、①、➃、➆ がそれにあたります。つまり、インパクトでフェースが左を向いていることが共通点といえます。
さらに、スイングの軌道はボールの方向性を決定づけに大きく関係しているのです。
スイング軌道はストレートが基本ですが、アウトサイドであれインサイドあれ曲がりの少ない球で、持ち球にするのも良いのではないでしょうか。
ただし、①の場合左に出て途中からフックする曲がりの大きい場合、不安定な球筋では、ミスショットのリスクが増します。
左に飛び出してフックする
そこで、ここでは①のドライバーで左に出て、左に大きく曲がる球筋で、低い弾道の強い球筋が出やすく、OBになりやすいフックボールについて解説していきます。
フックで悩むゴルファーは、道具やスイングがどうあれインパクトでフェースが左に向く(左ヒッターの場合は右)いわゆるフェースがカブルことで起こります。
このヘッドのカブリは、クラブヘッド、シャフト、スイング等が原因で起こりやすくなります。
もちろん、フックの出やすいスイングの場合もありますが、まず、フックの出る原因には、シャフトやヘッドよる原因も多いのが実情です。
そこで、フックの出やすいクラブとその原因について実際のデータを用いて説明します。
慣性モーメントが非常に高く叩いても左の曲が減って飛距離が伸びるG410 プラス
ヘッド・シャフトが原因でフック
大型ヘッドが原因
大型ヘッドが原因として、フックがでる場合があります。
大型ヘッドは、大きな慣性モーメントが施されており、ミスヒットにもフェースのブレを押さえ、安定したボールを打つ事ができます。
この特徴を上手く利用出来ないゴルファーは逆にフックやチーピンに悩むことになります。
つまり大型ヘッドは左右慣性モーメントが大きいことで、いったんフェースが開くとインパクトでフェースが戻らないことです。
この開いたフェースを無理やり戻そうとリストターンが入ると、フェースのかぶりが止まらずフックやチーピンボールがでるのです。
慣性モーメントは物の動かしにくさの値で、インパクトでリストターンを誤るとフェースがかぶり過ぎが止まらまい結果になり、チーピンやドフックと呼ばれる球筋のボールを打ってしまいます。
大型ヘッドは体の回転で打つ、オートマチックなスイングを求められる理由です。
大型長尺ドライバーのテークバックは、ファースが開かないように、手首を使わずフェースを閉じて、バックスイングでは左手の甲面が甲側に折れないよう十分注意するのが重要です。
【背屈が大きければインパクトで手首を使いやすい】
ダウンスイングではスイングの前傾姿勢軸とヘース面が平行になるのが理想で、このままインパクトで体の回転で振りぬく事が大切で、ヘッドを真っすぐ走らせるイメージで良いと思います。
フックの原因をシャフト分析
フックの原因はシャフトのシナリからくる、インパクトのタイミングが原因になります。
フックボールが出る場合、ヘッドスピードに比べシャフトのタイミングが遅いことです。
以下の表から250cpm(R)から240cpm(L)にクラブ交換すれば、インパクトのタイミングが遅れ、シャフトの最下点(ヘッドスピードが最大を迎える地点)がインパクト直後になります。
インパクト直後はクラブヘッドが内側に返るタイミングになりフェースがカブりフック系のボールがでます。これはごく自然な現象です。
シャフトの硬さ |
シャフト復元時間 |
タイミング |
適合 |
---|---|---|---|
240cpm |
0.0625秒 |
遅い |
× |
250cpm |
0.06秒 |
〇 |
〇 |
240cpmと250cpmのシャフトでは10cpmのシャフトの硬さの違いがあり、0.0025秒のタイミングが違うのです。
そのことは、250cpmのクラブでインパクトのタイミングが合っている場合、240cpmのシャフトのタイミングが0.0025秒インパクト直後にジャストタイミングになります。
このことは、ヘッドが返る時点でシャフトの最下点を迎え、フェースがカブりフックボールがでるのです。
このシャフトの最下点は、シャフトが反転するタイミングで最もエネルギーを貯め、飛距離・方向の安定に最も影響を与えます。
一般ゴルファーが勘違いするシャフトの硬さのイメージは、スイングスピードを変えればシャフトの硬さが変化すると思っていることです。上の表の復元のタイミング(時間)は、ヘッドスピードを変えてスイングしても、シャフトの復元時間(タイミング)は変化しないことです。
これは、硬いシャフトを柔らかくシナラせようと、力一杯スイングしても無駄な事でスイングを壊すだけです。
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横の数値はシャフトの長さ、縦の数値はシャフトの硬さをcpmで表しています。 青のラインはヘッドスピードから最適なシャフトの硬さのラインです。オレンジラインはフックの出やすい実際の使用クラブの硬さをcpmで表示しています。
まず、上のグラフからフックが出る現因は、スイングよりクラブのシャフトが柔らかく、軽過ぎることが分かります。
ゴルファーがフックの原因がどこにあるか、道具からフックが起こるのか、それともスイングの問題でフックがおこるのか、と迷いが生じても不思議ではありません。
そこで、クラブの分析を行えば、インパクトのタイミングが原因とはっきり見え、問題の解決方法がわかるのです。
原因がわからず、スイングが原因と考え、打ち方の矯正は、間違ったスイングでボールを真っすぐ打つスイングになり、結果スイングを壊す原因を招きます。
問題はそれだけでなく、他にクラブにも影響して思わぬスランプに陥ることです。そのためにも、シャフトのチェックを行うことが先決です。
シャフトが柔らかすぎる場合
そこで実際のデータから使用クラブの分析で、以下の結果が読み取れます。
そこで、フックの出るクラブのシャフトの分析結果は
長さが45インチ、シャフトの硬さ 236cpm(Rの軟らかめに相当) クラブ重量は290g、ロフト10度 です。
(但し、シャフトのスペックはSRの表示)
この方の現状のヘッドスピードは43m/sあり、ヘッドスピードから見て、簡単で球の捕まりが良く打ちやすいクラブに見えますが、シャフトが柔らかすぎます。
普通に打ってもドローしやすいクラブと言えます。逆にスライサーにはスライス防止にピッタリのクラブといえます。
ヘッドスピードに比較して、シャフトがヘッドスピードに比べて柔らかいことで起こる問題点は、シャフトのシナリがインパクト直後に最下点を迎えるので、インパクトのタイミングが遅れヘッドがカブル状態でシャフトの最大のエネルギーをもって球を捉えるためフックになります。
さらに スイングの技術向上でインパクト後のヘッド加速から、フェースがカブつた状態は、インパクトでロフト角が立ち、低い弾道の強いフック系の球になります。
球の捕まりが良いフックボールは、フックスピン量を増幅させ、地面に落ちてからも球が止まらずOBなどのリスクも多くなります。
また、シャフトの軟らかいクラブは、シャフトのシナリ幅が大きいため、フェースローテイションが大きくなり、インパクトのタイミングが取りずらく、タイミング次第ではボールが右や左に散ることになります。
これは、力みから、シャフトのシナリ幅が大きなり、結果ヘッドの遊び(トルク)が大きくなり、インパクトでフェースの開閉が安定せず、左にフックボールや右に高弾道のスライスが出る場合もあります。
この、右への高弾道のスライスは、力を入れてスイングすればインパクトでグリップがヘッドより先になり、フェースが開いたままシャフトの最大スピードでインパクトすることになるのです。
シャフトはよくタイミングといわれますが、これはシャフトの固有振動数理論から、スピードの変化でも同一シャフトのシナリ幅が大きくなってもインパクトのタイミング(時間)は変化しないことです。
上級者は経験上柔らかいシャフトを使う場合、シャフトのシナリのタイミングを体感で感じ取りタイミングを合わせ、スイングの強振を避ける理由です。
上の表から、ドライバ―とスプーンは振動数の異なるシャフトで、インパクトのタイミングが一致しません。
そのインパクトのタイミングの違いを実際の数値で捕らえると以下の数値になります。
45インチのドライバ―の236cpmのシャフトと同じ硬さの42.5インチ3Wは250cpmになります。
実際の使用42.5インチの3Wのシャフト硬さが265cpm
ドライバ―とスプーンのシャフトのタイミングの差は、15cpm違うことが数値の上からで理解できます。
スプーンを基準にした場合、ドライバーでインパクトのタイミングがスプーンにクラブ1000分/15遅いことになります。
この数値の違いが、シャフトのタイミングの違いと言われる所以です。
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クラブ重量が軽すぎ
クラブ重量も290gでは軽すぎで、ヘッドスピードの速いゴルファーには逆にスイングの回転軸も安定しなくなり、手打ちになりやすくなります。
手打ちのスイングは、テークバックで手でクラブを上げることで、クラブが体から離れます。
その結果、スイング軌道の不安定、打点のブレからミート率の低下から飛距離不足、方向性の不安定化に繋がります。
これは、バックスイングでクラブが寝て上がることになります。
ダウンスイングでもクラブが寝て下りて来ることで、フェースが開いて遅れてきます。
インパクトでは、ヘッドの遅れを手首で戻そうとこねることで、フェースがカブリフックボールを打ってしまいますが、この場合左に引っかけるケースや打ち損じてチーピンが出やすくなります。
また、軽すぎるクラブの場合、スイングの回転軸が不安定でスイング軸が大きくなることで、手でスイングを行いインパクトで手首が返えりやすくなります。
この無理やりの手首の使い過ぎがフックボールを打つ原因になります。
クラブ重量はスイングできる最大の重量を使う方が、スイングの回転軸が安定しやすく、飛距離が伸び打球の方向性も高め、ミスショットを減らす事になります。
フックしずらいヘッド・シャフトモデル
クラブヘッドの形状でフック防止も有効な手段です。
フックに悩むゴルファーにはフェースアングルがストレートや少しオープンのヘッドが効果的です。
特に、構えたときに少しフェースが右を向くオープンフェースは、ヘッドの重心距離が長めでヘッドが返りにくくフック防止には有効で、モデル的には上級者向けのモデル。
シャフトのキックポイントによるフック
シャフトで先シナリのクラブは弾き系のシャフトに属し、フックボールが出やすくなります。できれば粘り系のシャフトを選択してください。
粘り系のシャフトはインパクトのタイミングを遅く出来フックボール防止に有効です。中調子や元調子のシャフトがこれにあたります。
シャフト以外では、ヘッド形状でフックフェースによる場合も考えられます。極端なフックフェースの場合はストレートフェースの使用をお勧めします。
シャフトがヘッドスピードに一致しているにもかかわらず、ドロー系の球がでる場合は、スイングにおいて問題点があると考えられます。
その様な場合は、スイングで矯正する事になります。
以下のはスイングから起こるフックの原因と修正について解説していきます。
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- イメージしてスイングできるクラブは、自分で、クラブをコントロールできるクラブにしておくことが大切です。そのコントロールできるクラブとは、ヘッドの重みを感じてスイングできる、シャフトの硬さとクラブ重量になります。
- アイアンの距離が合わない
- ボールをすくい上げるスイングは、インパクトでヘッドがグリップより先にコンタクトすることで、ロフトが寝てしまいボールが高く上がり弱しい弾道で飛距離が出なくなります。 アイアンのスイングはロフトを立ててインパクトする事で高弾道で強いボールを打つことができます。