固有振動数と長さ・バランスの関係
固有振動数が長さとバランスで変化する定義
固有振動数は字のごとくシャフトの持っている固有の硬さで、異なる負荷を加えてもシャフトのシナリ(波長の時間)は変化せず、振動数の値は変わりません。
例えば260cpmのシャフトを異なったヘッドスピード(40m/c 45m/c 50m/cのスピード)でスイングしても、シャフトの復元時間は260cpmで変化せず、復元速度は一定になります。
このことは、一般のゴルファーは、硬いシャフトでも力をいれて早くスイングすれば、シャフトが軟らかくなると、勘違いされている方が、意外と多い様に思えます。
合わないシャフトで力を入れてスイングしても、シャフトの硬さは変化せず、逆に、ヘッドスピードも上がらず、バランスを崩すだけで、何も良い結果は生まれずミスショットに繋がります。力んでスイングするのがいかに無駄かを理解してください。
この固有振動数の特性は、シャフトを長くするか、ヘッドを重くすることで振動数は変化します
この変化には一定の法則があり、シャフトの場合、振動数の変化は0.5インチインチ短くすることで4cpm前後上がり硬くなり、、反対に0.5インチ長くすることで4CPM下がり軟らかくなり、この数値は長さに比例していきます。
又、振動数と重さの関係は2g程度で1cpm変化しますが、重くするにつれて振動数は比例して下がり、シャフトは軟らかくなります。逆に2g軽くすると1cpm硬くなることになります。
固有振動数の法則は、硬さが同じシャフトを長くしたり、短くしたりしても振動数の変化は起こりますが、シャフトの本来の素材の硬さは変化しない法則です。本来シャフトの持っている硬さを絶海硬度と呼び、シャフトの調和を行うには重要な数値になります。
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波長・波高の分析でインパクトの時間の違い
青の260CPMとオレンジの250CPMの波形の波長分析
グラフで青の曲線は260cpmの硬さを持つシャフト、 赤の曲線は250cpmの硬さを持つシャフトです。
横軸は時間を表しています。
260cpmの1ヘルツはA~Cでスイング中に起こるシャフトのシナリ時間
250cpmの1ヘルツはA~C1でスイング中に起こるシャフトのシナリ時間
Aはトップでシャフトがシナリを起こした位置で Bは260cpmのインパクトゾーン、B1は250cpmのインパクトゾーンなります。このインパクトゾーンはシャフトの最下点と考えてください。
横軸は時間軸でインパクト時間を計算できます
上の1ヘルツの図をを1/2ヘルツにした図
赤の放物線250CPMの1ヘルツ時間
250CPMは1分間に250回の振動を行い、スイングは1回の振動(ヘルツ)の中で行われます。そこで1回の振動(ヘルツ)の時間(A~C1)は
60秒÷250cpm(振動数)=0.24秒(1ヘルツの時間・1回の振動)(A~C1)になる事がわかります。
これで1回のスイングで起こるシナリの速さが0.24秒になります。
インパクトの値を求めるには、この1ヘルツの1/4である事から、250CPMのインパクト時間は以下の計算で求められます。
1/2ヘルツにした図
0.24秒÷4分の1=0.06秒
このシャフトの復元時間のA2は0.06秒で、シャフトが最下点に到達して、スイング中に最大パワーをボールに伝達できる時間になります。
このことは、250cpmの硬さを持つシャフトは、トップからインパクトまで0.06秒のスイングスピードを行えるゴルファーに、最適なシャフトであることがわかります・
青の放物線260CPMの1ヘルツ時間
60秒÷260cpm(振動数)=0.23秒(1ヘルツの時間)(A~C)
260cpmのインパクトBは1ヘルツの四分一の位置にあたります。
Bは0.23秒を4で割った数値になります。
0.23秒÷4分の1=0.057秒
このA1の0.057秒の値が260cpmのシャフトが最下点に到達して、スイング中に最大パワーをボールに伝達できる時間になります。
上のヘルツの波形から、260cpmのシャフトと250のシャフトのインパクトゾーンの時間帯が異なることが分かります。
もし、250cpmのシャフトが合うゴルファーには、260cpmのシャフトを使えば、最大の最大パワーの時間帯が0.003秒早く迎えてしまいます。
この0.003秒は、インパクトの瞬間が1万分5,6秒の世界においては、ジャストミートするには致命的な時間誤差になり,、当然ヘッドの芯を外したインパクトでボールのミート率は低下して飛距離を大きくロスすることになります。
ミート率の低下で起こる結果についてはこちらを参照してください。
ヘッドスピード |
ミート率 |
飛距離 |
飛距離ロス |
---|---|---|---|
40m/c |
1,5(100%) |
240y |
|
1.4 |
224y |
26y |
|
1.3 |
208 |
42y |
参考資料 アマチュアゴルファーの平均ミート率は1.37前後 プロの平均ミート率は1.47前後
波形の波高分析
波高は、シャフトのシナリ幅の大きさです。
波高が高い程、スイング中のシャフトのシナリ幅が大きく、ヘッドの遊び(ヘッドの回転移動)も大きくなり、逆に、波高が低い程ヘッドの遊びが小さくなります。
このヘッドの遊びとは、トップスイングで開いたフェースを、インパクトする時までに、アドレスで構えた元のフェースの位置に戻すことで、遊びが大きい程戻すフェースの回転角度が大きく、、反対に遊びが小さい程戻す回転角度が小さいことです。
これは、遊びの小さい方が、フェースローテイションが小さく方向性性は安定しますが、ヘッドの返る力は弱くなります。
逆に、遊びの大きい方は、フェースローテイションが大きく方向性は不安定なりますが、ヘッドの返る力は強くなります
このことから、ヘッドスピードの速いゴルファーには、波高の低い硬いシャフトの方がスイングが安定しやすく、ヘッドのブレも少なく安定したインパクトを迎えることが出来、操作性の優れています。
逆に、ヘッドスピードの遅いゴルファーには、少し遊びの大きい柔らかいシャフトを使用する事で、ヘッドの可動領域を大きくでき、球の捕まりはよくなりますが、半面操作性は悪くなります。
自分のシャフトの波高と波長を知ることで、自分に合うクラブや悩みの解決の糸口になります。是非参考にシャフト選びを行って下さい。
自分の最も合う波長のシャフトで、波高を高くする程、インパクトの衝撃が大きくなり、ボール初速を押し上げます。これは、スイングを体の回転で行なうことで、腕の振りがインサイドのスイング軌道でレートヒッティング出来た場合になります。
手打ちのスイングでは、波長をより効果的使える波高を高くできず、飛距離のロスを生む結果になります。
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